琵琶湖の花火


大学を卒業した年の夏に、大学時代の友人が亡くなった。
当たり前だけどショックだったし、当時心身ともに体調が良くなかったので、辛かった。

友人の告別式に参加して、教授や同級生と一緒に、京都駅の中のレストランでごはんを食べた。教授はとても優しくて穏やかで、みんなに慕われていた。その教授が、
「彼女との思い出を語り合いながらみんなでごはんを食べよう」
と言ってくれたので、ぎこちなかったけど、それなりに和気藹々とした雰囲気でごはんを食べた。

みんなと一緒にいる時は、悲しい気持ちもなんとなく誤魔化せていたけど、解散した後、1人じゃいられないような気持ちになった。

当時、付き合っていた男性と一緒に暮らしていたけど、その人にはなんとなく会いたくなかった。辛さや悲しみを共有出来ないと分かっていたからだと思う。

元々その日は、その付き合っていた男性と一緒に、琵琶湖の花火大会に行く予定にしていた。
彼には申し訳なかったけど、
「琵琶湖の花火にはいけないと思う。花火を観る気になれないから。」
と事前に伝えていた。

彼からの回答は
「俺は行きたい。俺との約束ばかりが守られないのはおかしいんじゃないか?」
…という様なものだったので、
折を見てこの人とは別れようと思った。
一生忘れないやり取りだと思う。

結局、花火大会に行った。
行ったら行ったで、綺麗で楽しかった。
死んだ友達にも見えてるかな?と思った。
彼氏のことは大嫌いになった。

2011年がマジで嫌い。 
辛いことなんて忘れてやらない。
7割くらいわたしが悪い。